美術大学や芸術大学を目指すには何から始めればいい?

ひめの

ひめのです。シングルマザーですが、2人の子どもが公立高校から、慶應大学と法政大学に進学できた子育て経験をいかして、情報発信をしています。

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絵を描くことが好きで、美術大学や芸術大学に入りたいな!

大好きな絵をずっと描いていられるのは幸せですよね。

私は家庭の事情から、一回社会人になって美術予備校の夜間部に通いながら、3年間働いて退職し、改めて美術予備校の昼間部に通いました。

美術予備校に通った経験から、これから美術大学(美大)や芸術大学(芸大)を目指したいと考えている人に向けて、具体的に何から始めればいいのかを解説します。

美術予備校には入った方がいい

一般の大学と違い、美大、芸大には実技試験があります。

比重としては実技試験のウェイトが高いので、対策が必要です。

そのためには専門の予備校に行った方がいいです。

美術予備校と呼ばれるところは、美大、芸大に入るための予備校になります。

みっちりと実技を学べるので、必ず行った方がいいと思います。

入る時期としては、なるべく早い方がいいですね。

とはいえ、費用も掛かりますので、ご家庭の方と相談しましょう。

美術予備校の費用はどのくらい

東京都内の主な美術予備校の費用の内訳はこのようになります。

浪人生などが通う昼間部と、現役高校生や社会人が通う夜間部があります。

昼間部

入学金:33,000~44,000円
授業料(年間):337,000~740,000円
合計:370,000~784,000円

夜間部

入学金:20,000~33,000円
授業料(年間):202,000~495,000円
合計:222,000~528,000円

うちの子どもは私立大学に特化した塾に通っていましたが、美術予備校の方が少し安い気がしますね。

私は社会人として働きながら夜間部に通い、退職してからは3年間貯めたお金で昼間部に入りました。

自分の少ないお給料から払わなければならないので、なるべく安い予備校を探しました。

安いから悪いということもないですが、失敗したこともあったので、予備校を探す際に私が注意したポイントを書きますね。

美術予備校を選ぶポイント

・現役の美大生、芸大生が指導してくれるか
・講評会を開いてくれるか
・実績があるか
・実技ができる場所があるか

それぞれのポイントを説明します。

現役の美大生、芸大生が指導してくれるか

私が高校生の時に失敗したのは、安いからといって、予備校ではなく、アトリエを選んだことです。

アトリエは、ひとりの画家(先生)が教えてくれるスタイルの所が多いです。

すると、先生が不在のことが多い、受験に特化していない、趣味で絵を描く人が多いなどがあります。

やはり、現役の美大生、芸大生が指導してくれると、リアルな体験が聞けるのと、成功方法を知っているので参考になります。

ここは必ずチェックするべき点です。

講評会を開いてくれるか

講評会とは、大きな会場や教室で、全員の作品を並べて講評することです。

このメリットは、自分の描いた絵を客観的に見ることができます。

また、他の人の作品と並べることによって、自分の作品の弱点などがありありとわかります。

全員の絵を、講師の評価順に、1位から最下位までずらーっと並べます。

その上、全員の前で、講師が一人一人に作品の講評を言います。

講評の順番は最下位の人から始まります。

上位ならいいですが、最下位に近いと気持ちも凹みます。

しかも、低い順位だと、言われる内容も厳しく、ダブルで凹んでしまいます。

最初は恥ずかしくて、嫌な思いもしますが、実際の受験でもこのようにして合否を決めているようなので、実践と思って乗り切りましょう。

低い順位の時の悔しい思いは、いつか必ず上位を取ることができるようになりますよ。

すごく勉強になりますし、励みにもなるので、講評会を開いているかどうかは必ず確認しましょう。

実績があるか

予備校の卒業生の進路も確認しましょう。

実際に美大、芸大に合格した人はいるのか、何人合格したのかは重要です。

実績があれば、合格するためのノウハウがあるということになります。

実績のあるところじゃないと、意味がないと思いましょう。

実技ができる場所があるか

油絵を描くには、それなりの広さが必要です。

道具を広げたり、イーゼルを立てたり、大きなキャンバスを立てるなど、かなり場所を取ります。

油絵と別にデッサンもあるので、それぞれの場所を確保する必要もあります。

あまりにも小さいアトリエだと、十分な場所を確保できず、狭い中で描かなければならなくなります。

私の通った予備校はマンションの中にあり、数部屋を使用して、それぞれの作業をしていました。

でも、十分な広さがあり、道具を広げて描くことができたので、満足でした。

どんな実技をするのか

私は油絵科でしたが、どの学部もデッサンと実技があります

デッサンは油絵科は木炭デッサンで、デザイン、工芸、建築科などは鉛筆デッサンになります。

実技は油絵科なら油絵、デザイン科や工芸科はデザインを描きます。

デッサンといえば、石膏デッサンが基本ですね。

あとは、静物、人物などになります。

油絵も静物、人物が多いです。

人物はモデルに来てもらい、描く場合と、着衣の場合は生徒が交代でモデルをやったりしました。

だいたい20分間描いて、休憩を入れてを繰り返して、数時間かけて仕上げます。

モデルの体験も勉強になりますよ。

20分間動いてはいけないという体験は、人生の中でもないですからね。

学科の勉強は必要か

実技がメインとはいえ、学科の勉強も必要です。

特に私立の美術大学は、現役高校生の合格率を上げるために、学科を重視するようです。

やはり実技に関しては、枚数をこなしたほうが上達するので、どうしても現役高校生は不利になりますからね。

学科も手を抜かずに頑張りましょう。

家でできることもある

朝から夜遅くまで美術予備校に通っていましたが、家でできることもあります。

私が実際にやってみて、すごく効果があったのが、毎日、牛乳瓶を描くという方法です。

あの給食に出てくる(今は少ないでしょうか)牛乳瓶の空瓶を使います。

なぜ牛乳瓶なのかというと、形をとるのがやや複雑なのと、ガラスの映り込みを描きこむことが重要だからです。

牛乳瓶がない場合は、ガラスのコップでもいいかもしれません。

ガラス製品は透明なので背景が透けてしまうのに、光の反射や周りの風景の映り込みがあります。

これを逃さずに描けるようにするのが目的です。

白い壁の前に置いて、持てる力最大限に、鉛筆で画用紙に、精いっぱいリアルに描き上げます。

細かい映り込みや、光の反射は初めのうちは、あまり見えていません。

毎日描いていると、だんだんと、よりリアルに描けるようになります。

早く描くコツもつかめます。

つまり、目がだんだんと見えるようになってくるのです。

人の目は、見えているようで、実はあまり見えていないのです。

本当に見ようとすると、だんだんと見えてくるようになります。

この訓練をひたすら繰り返します。

見えないものは、描けないということです。

すごく効果があるので、ぜひやってみてくださいね。

本気で合格したいなら美術予備校は必須

なるべく早くあこがれの美大、芸大に合格したいなら、美術予備校に通うことをお勧めします。

費用の問題などもありますが、「時間」は人生で最も大切です。

ここは時間を買うつもりで、美術予備校に通えるようにしましょう。

私は今にして思うと、3年も時間を無駄にしてしまいました。

高校生の時に親にちゃんと説明して、美術予備校に通わせてもらえばよかったと、後悔しました。

時間は戻りません。

しかも、芸大油絵科の倍率は2022年度で17.3倍となり、あの東大より難しいと言われています。

勉強と違って、実技は実際に絵を描かないとならないので、家で学ぶのは大変ですよね。

でも、大好きなことに没頭できることは幸せだと思います。

私も美術予備校に通った時間は、大変でしたが、とても幸せだったと思っています。

夢に向う力に、この記事がお役に立てればうれしいです。