油絵とアクリルの違いはなに?どちらがいいの?

ひめの

ひめのです。シングルマザーですが、2人の子どもが公立高校から、慶應大学と法政大学に進学できた子育て経験をいかして、情報発信をしています。

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画材って色々ありますよね。

中でも、油絵とアクリルって何が違うんでしょうか。

私は、美術大学を目指していたころは、油絵を選択していました。

単純に油絵は油で描いて、アクリルって水でいいんじゃない?程度の知識でした。

ところが、描いていくうちにわかるようになりました。

そこで、今回は油絵とアクリルの違いと特徴や、効果的な使い方などを解説しますね。

これから絵を描いてみたいな、という人の参考になるとうれしいです。

油絵(油彩)とアクリルの違いとは?

油絵(油彩)とは、油絵具を油で溶いて、布のキャンバスなどに描きます。

アクリルは、水で溶いて紙やボードなど、何にでも描けるという特徴があります。

どちらも乾くと耐水ですが、油彩は乾くまでに時間がかかります。

アクリルの方は乾くのが圧倒的に早いです。

この乾くまでの時間が一番の違いだと思います。

油彩とアクリルの特徴

油彩とアクリルは、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

メリットとデメリットをあげて解説します。

油彩の特徴

油彩の特徴は、溶き油によって描くので、つやがあります。

また、ゆっくりと乾くのでキャンパス上で色を混ぜることができます。

パレットナイフを使用したり、ゴッホのように絵の具を盛り上げて表現したりと、自由な表現も可能です。

独特の深い色合いは、油彩じゃないと表現できないので、この深みこそが油彩の魅力ですね。

メリット

・乾くのが遅いので、画面の上で色を混ぜたり、修正もできる。
・色を重ねることによって、独特の深い色合いが表現できる。
・つやが出て仕上がりが美しい

デメリット

・乾くのが遅いので、塗り重ねたい場合、下の色が動いたり、混ざってしまう。
・1枚の絵を仕上げるのに時間がかかる。
・溶き油などを使用するので、道具の手入れが面倒

アクリル絵の具の特徴

アクリル絵の具の特徴は、何と言っても速乾性です。

油彩に慣れていると、その速さには驚きます。

油彩のように塗り重ねることができるのに、水で溶いて使用できるので、手軽に使うことができます。

また、メディウムの種類が豊富で、様々な表現ができるようになります。

メディウムとはアクリル絵の具に混ぜる添加剤です。

主に5種類あります。

1. 質感の変更

アクリル絵具に混ぜて、質感を変化させ、表現を変えることができます。
つや出し、つや消し、ざらざらにするなど多彩な表現が可能です。

2. 硬度の変更

絵の具を柔らかくして、スムーズに描けるようにします。
つやと透明感が増すので、発色が良くなる効果があります。
水彩絵具のような、柔らかい表現をしたいときに使うと効果的です。

3. 乾燥速度の変更

アクリル絵具は乾くのが早いのが特徴ですが、さらに早くしたい場合や、逆に遅くしたい場合に使用します。
私は乾くのを遅くして、グラデーションを描く時などに使用していました。
油彩に慣れていると、これがないと乾くスピードについていけなかったですね。

4. コラージュの接着剤

アクリル絵の具は、コラージュとも相性がいいです。
コラージュとは紙や布などを張り付けて表現する方法です。
その場合に接着剤として使用します。
コラージュをすると半立体になるので、インパクトが出ます。

5. 下地作り

紙やキャンバスに直接描かずに下地を作るという手法もあります。
陶器のようにツルツルにしてみたり、逆に凸凹にしたり、さらに色付きにすると深みが出ます。
黒やビリジアンなどを下地色にすると、油絵のような深い色合いになりますよ。

メリット

・乾くのが早いので、上に色を塗り重ねても混ざったりしない。
・水を使うだけなので、水彩絵の具のように取り扱いが簡単。
・メディウムを使うことで、いろいろな表現が可能になる。

デメリット

・乾くのが早いので、グラデーションなどの表現が難しい。
・仕上がりがビニールっぽい印象がする。
・油彩に比べると色に深みがない。

どちらを使って描くのがいいのか?

どんな表現をしたいのかで、どちらを選ぶのかを決めたほうがいいです。

どちらもそれぞれ、いいところもあるので迷いますよね。

私は油彩で描いていましたが、道具が大掛かりなのと、絵具が乾くのが遅いので、途中でアクリル画にしました。

ただ、油彩絵具の深い色合いは、どうしてもアクリル絵具では再現できないような気がします。

手軽に、サクサクと作品を仕上げていきたいなら、アクリル絵具をお勧めします。

ゆっくりと1枚を仕上げたいなら、油彩の方が合うと思います。

油彩とアクリル絵具は併用できるのか?

油彩とアクリル絵具のそれぞれの特徴を利用して併用することは可能です。

アクリル絵の具を下地に使用して、その上に油彩を使用するのは大丈夫です。

油彩の乾くのが遅いという欠点を下地に速乾性のアクリル絵の具を使用して、作業効率を上げる使い方です。

注意点としては、その逆はNGです。

油彩を先に使用したところに、アクリル絵の具を乗せると、油の上に水を乗せるようなもので、はじかれてしまいます。

メリットもないので、これだけは注意しましょう。

両方の特徴をもつ絵の具があった!

油彩とアクリルの両方の「いいとこどり」のような、夢の画材がありました。

アキーラというアクリルと油彩の両方の性質を持っている絵具です。

特徴としては油彩、アクリル、水彩絵具などと重ね塗りができます。

油彩の上に水性絵具を重ねるのはNGでしたが、アキーラなら可能になります。

また、素早く乾くのに、じっくり固まるので、数日間は水にぬらすと再び描くことができます。

画期的な絵具が登場しましたね。


クサカベ アキーラ AQYLA 水性アルキド樹脂絵の具 6号20ml 12色セット KUSAKABE

 

どの画材を使うかは目的による

アクリル絵具と油彩の特徴をみましたが、正直どちらもよくて選べないですね。

両方使ってみて、自分と相性のいい画材を選ぶのが一番いいと思います。

画材は他にもいろいろあるので何でも使ってみるとさらに表現の幅も広がりそうですよ。

画家の絵をよく見ると。いろいろな画材を取り入れていることが分かります。

パステル、シルクスクリーン、版画、水彩、マジック、鉛筆などなど

興味をもったら何でもチャレンジしているのかもしれませんね。

その意欲を見習って、いろいろな画材に挑戦してみてはいかがでしょうか