絵画鑑賞なんて退屈そう・・・私も中学生の時は思っていました。
ところが、高校生になり、急に絵に興味を持ち始めてから、美術館に行くようになりました。
ただ、美術館に行っても、絵を見ているだけで、これってあってるの?と思いませんか?
実は、コツがありました。
絵の見方を知っていると、絵画鑑賞はもっと楽しくなりますよ。
それほど難しいことでもないので、この記事を読んで絵画鑑賞を楽しめる人が増えると、うれしく思います。
もくじ
絵画鑑賞で気をつけること
美術館まで行って、お金を払って、絵を見に行くことだけでもすごいですよね。
せっかくなので、本当に絵を見た!と実感できるようにしたいですね。
では、どんなことに気をつけたらいいでしょうか。
私が気をつけていることをご紹介しますね。
順番通りに見ない
日本人はまじめに並んで、最初から順路通りに見ようとしますよね。
すいていればそれでもいいかもしれませんが、込んでいる場合などは、込んでない絵から見るなど工夫しましょう。
きっちりと順番通りに見る必要はないですね。
タイトルは気にしない
画家にとって、絵のタイトルはあまり重要ではないと思います。
画家は何を描きたいかが先なので、絵ができてからタイトルをつけたりします。
割と雑?なタイトル(「帽子をかぶる女」みたいな)も多いので、無理して読む必要はないと思います。
それよりも、描かれた年は注目します。
年を追うことに絵は変化するので、その変化を見ると楽しいですよ。
絵は離れてみる
絵は離れて見ないと、全体を見ることができません。
ほぼ99%の人が、絵の前の手すりを横移動していますよね。
これでは、はっきり言って絵を見ているとは言えません。
画家も自分の絵を確認する時には、何度も離れて見ます。
一度列を離れて、遠くから見てみることをお勧めします。
絵画はどこを見たらいいのか
私が絵を見る順番を解説しますね。
1.離れて絵の構図を確認
2.少しずつ近づく
3.マチエールを見る
4.もう一度離れて確認する
それぞれの解説はこちらです。
1.離れて絵の構図を確認
見る順番としては、まずは絵から離れて、絵の全体を見ます。
ここで確認するのは、絵の構図です。
絵画で一番大切なのは、構図です。
私も美術大学を目指して絵の勉強をしているころには、何度も何度も言われました。
とにかく構図がすべてといってもいいくらい、絵の構図は大事です。
絵の構図が分かれば、この絵が何を言いたいのかもわかってしまいます。
ナゾトキのようで、一番楽しいですよ。
2.少しずつ近づく
離れた場所から、1歩ずつ前に出ます。
すると絵からぐっと押される空気を感じる時があります。
これは何となく感じるような気がするというものなので、感じなくてもいいと思います。
少しずつ前に出ながら絵を見ると、絵の印象も変わります。
一番いい場所は、腕を伸ばして届くくらいではないでしょうか。
つまり、画家が腕を伸ばして筆で描いている位置になります。
絵を描いている画家の気分になって、目の前の絵を見るとまた違って見えてきます。
3.マチエールを見る
マチエールとは、絵の表面の絵の具の塗り方や、肌合いなどのことです。
近づいて行って、今度は至近距離で観察します。
近くで見ると、キャンバスの目地や筆の運び方が分かります。
これは画集では分からないので、現物を見るからこその醍醐味ですよね。
画家の筆運びや、どんなキャンバスを使っているかなど、じっくりと観察します。
4.もう一度離れて確認する
最後にもう一度離れて絵を見てみます。
順番としては、「離れる→少しずつ近づく→至近距離で見る→離れる」です。
最初に離れて見たときとは、また違った印象がします。
1枚ずつこれをしていると時間がかかってしまうので、気に入った絵を選んでやってみることをお勧めします。
絵画鑑賞に正解はない
絵画鑑賞は自分が楽しめばいいので、正解はないです。
ただ、画家の気持ちになって観るというのもいいと思います。
良い絵を見ることは、何より感性が磨かれます。
画家が人生をかけて描いた絵を、数百年の時を経て今見ているということに、私は感動します。
少しでも多くの人が絵を好きになってくれて、絵画鑑賞を楽しんでくれると、うれしく思います。